お客間のお寺の境内に聳えていた柏の大木。
ご本堂を新築される際、処分されることになった木材をお預かりして「五鈷杵」(ごこしょう)を作らせていただくことになりました。
「五鈷杵」(ごこしょう)は密教法具の一つであり、弘法大師空海が唐から持ち帰られ、真言密教では特に大切な法具として扱われています。
本来はインドに伝えられた武器の一種ですが、形状を変えて仏教に取り入れられたものです。
五つに分かれた先が外を向いた武器であったものを内側に向けることにより、煩悩に振り回されることなく自らを成長させ善行を行うことを表しています。
五本の切っ先は五仏(大日如来、阿閦如来、宝生如来、阿弥陀如来、不空成就如来)の智恵を表すとされ、空海が最も大切に扱ったものです。
木材を仏師の先生宛に送り、生木ゆえ2年間自然乾燥させてから取りかかっていただき、3年目の昨日出来上がったと送られてきました。
渾身の一作、予想以上にきれいにできあがり満足です。